2025年12月30日

菊が主役「重陽の節句」

上坂部西公園でほぼ毎月ご紹介してきた「年中行事と植物」ですが、

ブログでまだ掲載できていなかった「重陽の節句」をご紹介します。


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9月9日は五節句の「重陽(ちょうよう)の節句」です。


皆さん節句って、1年間に5回あることはご存じでしょうか。


五節句は、中国の唐の時代に定められた暦であり、「節」は季節の節目を意味し、

33日や55日のように奇数の重なる日は、縁起が良いとされている一方で、

災いが起こりやすく不吉であるとされていることから、この日に邪気を払う習わしがありました。

五節句は、奈良時代に日本へと伝わり、平安時代になると宮中の行事として定着していき、

その後江戸時代に五節句が「式日」(今でいう祝日)になると、庶民にも広まっていきました。


五節句のうち、

1月7日の人日(じんじつ)の節句(七草の節句)

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3月3日の上巳(じょうし)の節句(桃の節句)

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5月5日の端午(たんご)の節句(菖蒲の節句)

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7月7日の七夕(しちせき)の節句(笹の節句)

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と4つの節句は今でも年中行事として親しまれていますが、

9月9日の重陽の節句は他の節句と比べると知らない人も多いと思います。

ではなぜ重陽の節句はそんな不遇な扱いを受けるようになったのでしょうか。

その理由を紐解いていきましょう。


江戸時代、重陽の節句の行事は盛んに行われていました。

渓斎英泉『十二ケ月の内 九月 縁日の菊』,.jpg

渓斎英泉『十二ケ月の内 九月 縁日の菊』蔦屋吉蔵.

国立国会図書館デジタルコレクション


菊は邪気を払う力を持つ霊草として信じられていたこともあり、

重陽の節句には菊の花を観賞したり、

菊の花を漬け込んだ菊酒(きくざけ)を飲んで、

無病息災や不老長寿を願ったとされています。


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また、「着せ綿(きせわた)」といって、98日までに菊に綿を被せておき、

そこに溜まった夜露で肌を拭うと若さを保つことができるとされており、

被せる綿も白菊には黄色、黄菊には赤、赤菊には白と、綿の色を変えるなどの細かい決まりもあったそうです。

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このように、重陽の節句は季節の花である菊をメインに用いることから

「菊の節句」として親しまれ、江戸時代には庶民の間でも広く行われた季節の行事でありました。


では、なぜ現代では馴染みが薄くなってしまったかというと、

それは明治初期に行われた「改暦」が原因ではないかとされています。

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改暦により、旧暦でいう9月9日の重陽の節句は今の10月頃で菊が見ごろでしたが

新暦の現在99日は、夏の暑さも色濃く残り、行事植物の菊につぼみがつくかどうかの時期であるため

重陽の節句は季節感を失い、次第に廃れてしまったのではないかと考えられています。


そんな五節句の中でも影の薄い存在になってしまった重陽の節句ですが、

その意味や由来、歴史を知ると、そうした状況になっているのが本当に残念でなりません。


かの松尾芭蕉も重陽の節句に、

「草の戸や 日暮れてくれし 菊の酒」

と詠んだ句があるように、

重陽の節句の日には、無病息災や不老長寿を願って菊酒を楽しまれてはいかがでしょうか。

なお、小さいお子様や20歳未満の方は、好きなジュースなどの飲み物に食用の菊の花びらを浮かべて飲むのもよしです。


ここで筆者からの一句。

「菊薫る 無病息災 願う秋」


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乾杯!


posted by スタッフ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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