皆さん、ひな祭りや端午の節句にはどのようなことをされますか。
あられを食べたり、柏餅を食べたり、人形を飾ったりでしょうか。
では、ひな祭りや端午の節句で用いられる「植物」は飾られますか。
古来から伝わる年中行事には、必ずと言っていいほど「植物」が用いられています。
ひな祭りにはモモの花、端午の節句にはショウブ、七夕の笹、お月見のススキ。
ただ近年では、年中行事は行っても植物を用意しなかったり、
そもそも行事植物を知らない方も増えていると思います。
そこで第一弾として、節分の飾り「ひいらぎいわし」を緑の相談所前で紹介しました。
「ひいらぎいわし(柊鰯)」
節分の日には、豆をまいて鬼を払う、恵方巻を食べる、
さらにヒイラギにイワシの頭を刺して戸口に飾るとされていますが、
湯浅浩史さんの著書である「植物と行事 その由来を推理する」では、
行事の起源としては豆まきよりも、ヒイラギ飾りの方が古いのだそうです。
なぜヒイラギを飾るのでしょうか。
ヒイラギ
ヒイラギは葉の周辺のギザギザした部分で、家をのぞきに来る鬼の目を突くためとされていますが、
伊勢や出雲ではヒイラギではなく、葉の周辺にギザギザが全くないトベラを使っているそうです。
トベラ
形状が全く異なるヒイラギとトベラの意外な共通点は、常緑の生葉を火にくべると
両方ともパチパチと音をたててはじけながら燃えるところにあります。
そのパチパチと鳴る破裂音を鬼が嫌うとされて用いられていると、
湯浅さんの著書では紹介されています。
今回、その節分の日の数日前から、当園のヒイラギとトベラを用意し配布しました。
「ひいらぎいわし(柊鰯)」の飾りをご覧になって、
懐かしく感じて下さった方、興味津々の環境学習の小学生のみなさん、
見たことはないが子どもと一緒に家で飾って楽しみたいというお母さんなど、
多くの皆さんに関心を持っていただけました。
また2月2日には「節分こどもミニまつり」を開催し、
たくさんの親子でにぎわいました。
尼崎緑化公園協会では、今後も年中行事に用いられる行事植物に着目して紹介をしていきたいと考えています。
皆さんも日本古来の風習に倣って、年中行事を楽しみませんか。
第2弾は3月の桃の節句です。上坂部西公園から発信します!お楽しみに。